国の軽貨物に対する安全対策で、進展がありました。
国は今までの制度を改め、一般貨物事業者並みに安全規制を引き上げる方向で検討しています。
規制が少ないことが軽貨物の特徴でしたが、大きく変わることになりそうです。
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国の軽貨物に対する安全対策で、進展がありました。
国は今までの制度を改め、一般貨物事業者並みに安全規制を引き上げる方向で検討しています。
規制が少ないことが軽貨物の特徴でしたが、大きく変わることになりそうです。
国土交通省は2023年12月、「貨物軽自動車運送事業適正化協議会」の第3回会議を開催しました。
この協議会は、軽貨物運送への新規参入が増えている一方で、交通事故も増加している現状に加え、時間外労働の上限規制による「物流の2024年問題」が迫っていることなどから設立されました。荷主、元請企業、軽貨物事業者、そして行政(国交省、厚労省)が出席しています。
第3回の議事は「貨物軽自動車運送事業者に対する今後の安全対策等」でした。会議資料や各種報道の内容をもとに、今回の会議のポイントを確認してみます。
この背景には、アルコールチェックや日常点検の未実施、拘束時間や休憩時間の基準が守られていないといった実態があると考えられています。
また、優先通行妨害や歩行者等妨害、一時不停止などの交通違反の発生割合も、軽貨物以外の車両と比べてかなり高いことからも、安全やコンプライアンスに対する意識を高めていく必要があるとみられています。
会議資料に記載された国が現在検討中の安全対策は、次の通りです。
毎日の業務開始・終了地点や業務に従事した距離等を記録した業務記録を作成し、1年間保存を義務付けます。
また、事故が発生した場合、その概要や原因、再発防止対策を記録し、3年間保存を義務付けます。
以上の内容が、今年の通常国会への法案提出を含めて検討されているとのことです。
このほか、今回の会議では以下のような事柄も取り上げられました。
「トラックGメン」と呼ばれる国交省の担当者が全国に162名配置され、悪質な荷主・元請事業者への監視・指導の強化が行われています。
国から荷主・物流事業者への是正措置の働きかけや要請は、Gメン発足前は月平均1.8件だったのに対し、2023年7月のトラックGメン発足以降、月57件と大幅に増加しており、ドライバーの労働条件改善や取引適正化の加速化を図られているとしています。
個人事業主のドライバーは、事業用車両を1両しか保有していないことが多いです。
車両を点検・修理等をするとなると事業を休むことになるため、点検や修理がおろそかになり、必要な安全対策を講じられないおそれがあります。
これを改善するために、個人事業主間で車両の共同使用を認める新たな制度が計画されています。
現在の制度では、新たな車両を使用する場合は、使用車両の変更や増車の届出をする必要があります。共同使用の制度により、共同使用する関係者間で事前に協定を締結しておけば、運輸支局へ使用車両の変更届け出等を行うことなく、他の事業者が保有する事業用車両を共同で使用できるようにするとのことです。
個人事業主とはいえ、実態としては、労働基準法の労働者に該当すると判断される事例が、軽貨物事業において起きているとのこと。
・労働が他人の指揮監督下において行われているかどうか
・報酬が「指揮監督下における労働」の対価として支払われているかどうか
こういったことを基準として判断されるとのことです。
社会が変化して新しい事業が伸びていくと、それに伴い様々な問題も起きてきます。
今までにないものなので最初は規制や制度もなかったのですが、問題を解決、改善していくために、様々な規制や制度が整備されていきます。軽貨物もそのようなフェーズに入ったということです。
軽貨物ドライバーを抱えている委託会社や個人事業主のドライバーにとっては、大きな変化が起きます。規制強化を負担増と感じてしまうかもしれません。
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