第13号 #13

KBT MAGAZINE

株式会社soraud

INTERVIEW

価値の変化は、未来を変える。
長く携わってきたこの業界の未来を
良くしていきたいです。

#13
KBT-GROUP湾岸店 
株式会社soraud 
代表取締役 田中 裕光さん

全国のFC加盟店の仲間に会いにいく連載インタビュー企画

KBT-GROUP湾岸店 
株式会社soraud

田中 裕光代表取締役

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KBTに加盟したきっかけをお聞かせいただけますでしょうか。
田中社長
元々物流や運送業界の経験がありましたが、自分が実際運営をする側になることを考えると、ノウハウがなく、当然取引先もない、といった状況でした。
前職の時も軽貨物の運送会社さんとの付き合いというのもあったのですが、自分の中の約束事として「前の会社の取引先を引っ張ってこない。」というのを自分で決めていたのもあって、お客様がゼロというところから始めざるを得ないことが明白だったのです。ドライバーが最初幸い5人ぐらいいたものの「人はいるけど仕事がない」という状況です。
そこで、知り合いが既にやっていたKBT-GROUPという軽貨物グループのことを元々見聞きしておりましたので、これは凄く面白い仕組みなんじゃないかな、と考え加盟したのがきっかけです。
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物流業界に10年間関わってみて今思うことは何でしょうか。
田中社長
エンドユーザーの質が変わったと感じます。そこが一番大きいところですね。10年前は、外資系大手ECサイトがそこまでの規模では無く、「今日頼んだものが明日届く。」ということ自体、当時は非常に感謝されることでしたが、最近では状況が変わっていて、今日頼んだものが明日届くのが当たり前の時代になり、少しの遅れでも反応はシビアです。その辺がユーザーの質の変化でだいぶ印象が変わりました。
また、運送業界的な話ですと、今は小売店の役割が低下してきていて、小売店があったとしてもそこはショールーム的な役割であり、「小売店を見に行ってネットで買う。」という流れがかなり強くなってきていると感じます。
物流の世界では、今までは物流倉庫から小売店へのルート配送などが主流で、2t車・4t車の大型車の輸送で事足りていたものが、今のようにECサイトが伸びた現在はそれらの比重が下がり、個人宅への配送が物流の比重としてどんどん伸びてきているように感じます。
個人宅への輸送が伸びることでどうなるかというと、個々の家へ配送しなければいけなくなるため、足まわりにかかる人員が沢山必要になります。小売店などへまとめて配送される物流が劇的に下がっているけれども、反面個々の配送にウェイトが大きくなっているので、それが昨今叫ばれている物流業界全体の人手不足の問題になっている現状だと思います。そこは10年前に比べると非常に状況が変化していますね。

他、10年で変わったこととしては、スマートフォンの出現も大きいですね。たった10年でここまで世の中がかわるのかというぐらいの変化ですが、スマートフォンで簡単に買いたいものが注文でき、簡単に自宅に届く時代ですから、その影響を受けているのが運送業界だと感じています。
そのように今は、ITやシステムなど、新しい価値を生み出すところに力が入っている時代なのだと思います。このように、「価値の変化は、未来を変える。」と私は考えています。
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リーディングカンパニーとして業界を牽引していくにあたって、田中社長にはこの業界に対してどのようなお考えがあるか、お聞かせ願えますか。
田中社長
現在、外資系大手ECサイトや大手運送会社などの元締めと、そこから末端の配送ドライバーさんとの中間に、案件と個人事業主のドライバーさんをつなぐ私達のようなKBT-GROUPの軽貨物運送会社が存在しています。
ただ、これからは、クライアントさんとエンドユーザーが直接対する時代になってきているんですよ。不動産にしてもクライアントさんと直接。農業の分野にしても、頑張っている農家さんは農協を介さず直で販路を開拓しています。宅配も同じで、個人のお客さんも飲食店も含め、直接配送元とやりとりするという取り組みがこの業界でおこらないわけではないと思うんですね。その中で中間に位置する私達・KBT-GROUP全体が長く生き残っていくには、どうやっていくべきかを考えています。
自分の所を例で言うと、パーセンテージを取る以上は、平たく言えば良い仕事をしっかり供給していく。それが最低限必要なことであると考えています。良い仕事とはなんなのかというと、ドライバーさんに対しての教育だったり、会社としての管理体制だったり。そういったところを今一度考えて、しっかり対応を考えていく必要性を感じています。
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ドライバーさんへの教育に力を入れているとのことですが、具体的な取り組みなどお聞かせいただけますか?
田中社長
例を挙げますが、ドライバー教育の部分については、すごく単純な話からいうと、まず「確定申告やろうね。」っていうところから手取り足取り教えているんですよ。(笑)※委託ドライバー=個人事業主のため各自で確定申告が必要
当社の独自の取り組みとして、登録費を貰っている部分から全員にfreeeのアカウントを付与し(※freee=クラウド会計ソフト https://www.freee.co.jp/)、かつ、ネットバンクの銀行口座を作ってもらっています。そのネットバンクはVISAデビットの機能もついているカードがあるので、銀行口座とfreeeのアカウントを連携させて、ドライバーさんの経費になるような事業用の決済は全てそのデビットカードで使わせると、帳簿を起こさなくても自動で紐づくので手間が省けるのです。これが出来ると確定申告の時非常に楽です。そういった利点・工夫を皆さんに丁寧にお伝えしています。

また、委託ドライバーさんは「社員」ではないので雇用形態としては「個人事業主」であるということの認識を深めるために、講習会を行っています。
わかりやすい例が「ラーメン屋さん」です。ラーメン屋さんを自分がやるにあたって、場所、営業時間、ランチやるか否か等、色々それを自分で考えるのが個人事業主だ、と教えています。働く場所を決めたり、稼ぎのある場所を見込んだり、売上を伸ばすためにはどうすればいいかを自分で決められるという事です。
たまに、「宅配しかやりたくない。」「チャーターだけやりたい。」といったドライバーさんも居ますが、ラーメン屋さんをやるにあたって、餃子しか出ないお店のようなものだよ、ということを教えています。自分でできる仕事を増やすことは、ラーメン屋に例えるならばメニューを増やすことと同義なんですよね。
商売をしているとお客さんの要望などもいろいろでてくる訳ですが、それに対して断り続けてたらどうなるか?と言うのも考えてもらう必要があります。そういう事を考えてきちんと行動ができることで、ドライバーさん自身の価値があがるんだということを、わかりやすくセミナーなどで教えていますね。
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これからの田中社長の目標と展望についてお聞かせください。
田中社長
運送業界はまだまだアナログな業界であることと、配送スキルの差などが人によって激しいので、なかなか均一化ができていない現状があります。今後これが均一化されてくるのではないかと考えています。とある会社は配送もAIを使って均一化を目指しているらしいので、そういった取り組みが出て来ると非常に面白いですね。
また、最近話題のドローン配送や無人配送ですが、地方だと有効性があるのですが、都内ではまだまだ難しいと思います。自動運転したとしても、そこから中に運ぶのは、最後は「人」。荷物に何かあった時の責任なども、ロボットに怒る訳にはいきませんからね。(笑) お客さんが「人」である以上、向こう10年はまだこの状況続くと考えていて、その10年で我々がどうやって成長していけるか考えていきたいです。

また、軽貨物運送業界は参入しやすい反面、競合も多く、先程申し上げたように個々の自宅への配送なども増えた時代の流れもあってドライバーさん不足も深刻で、その状況で成長していくには工夫が必要だと考えています。
いま、物流の業界自体、潮の目がかわってきているのを肌で感じているのですが、物流業界に長くいたからこその危機感として、そういった課題をどう乗り越えるべきか模索しています。希望としては、末端のドライバーさんの報酬ももっとあげ、会社としても利益をあげ、軽貨物運送業界全体が良い環境になることを願っています。現状の業界をより良く変えていきたいです。

そのために、当社1社のみで自分たちの軽貨物業界がより良くなるように頑張り続けるのはとても大変なことと感じていますが、KBT-GROUPの仲間たちと一緒に挑んでいけるというのがグループの最大のメリットですね。
これからも、グループ全体・業界全体の事業の成長を考え、様々な創意工夫を実践していきたいと考えています。
プロフィール写真

オーナープロフィール

KBT-GROUP湾岸店 株式会社soraud

代表取締役 田中裕光さん

昭和58年8月17日 千葉県浦安生まれ

座右の銘:独立独歩

いままでやってきたお仕事:ディズニーランド・駅員・カフェ・大手運送業