第15号 #15

KBT MAGAZINE

株式会社 K&M

INTERVIEW

とりあえずやってみる事が大事。
何が欲しいのかをひとつに絞って、
目的意識をはっきりさせ、
そこに向かってまっすぐ前に進む。
そうすることで道が開けます。

#15
KBT-GROUP麻布店 
株式会社 K&M
代表取締役 室井 恵利さん

全国のFC加盟店の仲間に会いにいく連載インタビュー企画

KBT-GROUP麻布店 
株式会社 K&M

室井 恵利代表取締役

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KBT-GROUPに加盟したきっかけをお聞かせください。
室井さん
KBT-GROUPに加盟する直前に結婚をし、結婚をする直前まで六本木で飲食店を経営し、お店をもつまでは六本木で働きながら音楽活動をしていた20代でした。30代になったことをきっかけに普通の家庭で普通のお母さんで普通の生活を送っていくことを考えるようになりながらも、家庭と両立しながら少しでも自分の時間をお金に変えられないかと考えていた時、「社長にならないか?」と六本木時代のお客様からお声がけいただきました。
たくさんの業界、もちろん物流の世界で活躍されている方ともたくさんお話したことはありましたが、まさか自分が運送業という職種に携わることがあるとは20代の私は夢にも思っていませんでした。ただ、儲かっている業界だなぁというイメージはありましたが(笑)。実際に加盟することを決めた時も、軽貨物という言葉も黒ナンバーも聞いたこともなく、何もわからない事だらけでのスタートだったのです。
また、子供がおりますが、子育てをしながらお金を稼ぐということを考えた際、「家で子育てしながらできる仕事」がやりたかったというのもきっかけです。現時点ではまだ家でできる仕事が半分、外に出ながらやる仕事が半分の現状で大変なこともありますが、内職などに比べるとよっぽど効率が良いですし、子育てしながらできる仕事であり良かったと思っています。
家族経営として、私の主人(右写真)も飲食店を辞め現在はドライバーさんの先頭で宅配業務を行い、現場の責任者として一緒に当社で働いています。現場に主人がいるので、安心して私は経営や子育てができています。
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KBT-GROUPのメリットと感じる点はどのようなところでしょうか。
室井さん
仕事量・情報量の豊富さはもちろん、気さくなおもしろい社長さんが多いということですかね!未だにお会いしたことのない社長さんとも何かあれば助けてもらったり助けたり、仕事の話0で毎日のように電話する社長さんもいれば恋愛相談してくる社長さんもいますし(笑)トラブルがあっても必ず解決策を探し出してくれる仲間がいることですね。
わからないことを教えてくれ、取引先を繋げてくれ、すぐに仲良くなれる、KBT-GROUP内の社長さんはみな基本優しいです。まるで同じ会社の同じ仲間のように思えますし、このグループの横の繋がりには非常に助けられています。
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自社で工夫していることをお聞かせ願えますか。
室井さん
広いエリアで求人をかけていることで面接契約以来会っていないドライバーさんなんかもいます。私自身24時間子育てをしながらなので、ドライバーさんとの時間はほぼほぼ電話を使ってのコミュニケーションです。だからこそ、どんな時でも電話は出れるよう、そしてLINEは返せるように、ドライバーさんの不安はすぐ取り除けるようにしています。またドライバーさんのお誕生日にはプレゼントを贈っています(笑)。60歳になるドライバーに久保田萬壽を送ったときはさすが六本木出身だなとウケましたね。
また、弊社は面接時にドライバーさん自身の気持ちを話してもらいます。それはドライバーさんの気持ちを汲んで一緒に頑張りましょう!という考えを伝えるとともに、話した言葉をドライバーさん自身で意識し、認識してもらうことで方向性が同じ方向を向いているか確認しています。お金が欲しいのか、自由に働きたいのか、個人事業だからこその自由な意見を吐き出させるとともに、個人事業だからこその責任感を持ってもらっています。
これらが、母親であり女性オーナーとしての強みと申しますか、ドライバーさんの心のケアを積極的に行っているのが当社の工夫と考えています。
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ドライバーさんに頑張ってもらうために日々努力されているのですね。
室井さん
はい。実はKBT-GROUPに加盟する前はお恥ずかしながら、宅配ドライバーさんの存在をこれまで意識したことがありませんでした。ただ、このお仕事をして一番最初に知ったことは「ドライバーさんはかっこいい」ということ!たくさんの経験、知識、エネルギーを使って日々の業務をこなしているということを知りました。こういった側面をぜひ皆さんにも知ってもらいたいですね。
また、私が一番に変わったことは、宅配の実情を知り、なるべく不在にせず荷物を受け取れる努力をするようになったことでした(笑)。不在が多いとドライバーさんの配送効率も下がりますし売上に響くこともありますからね。
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軽貨物事業をはじめて大変だったことや、そこから学んだことはどのようなものでしたか。
室井さん
以前、稼働当日にドライバーさんと連絡が取れないことがありました。貸していた車が事務所から2時間かかるコインパーキングに放置され、3万円を払ったこともありました。また、とあるドライバーさんが勤務先を弊社として伝えたことで、闇金さんから何度も電話をいただいたこともありました。全て加盟2ヶ月での出来事で、さすがにくじけそうになりましたが、その度に他の店舗の方々に助けてもらいました。うちのミスで頭を下げてくださったこともあったでしょうし、他店舗さんのドライバーさんを説得してもらってうちの案件に走っていただいたこともあったでしょう…。
だからこそ、私も困っている声にはぜひ力になりたいと思ってはいます!中々思うようには実践できませんが。
あっという間に3年目に入りましたが、「毎日みんな(ドライバーさん)仕事先に無事行っていますように」「今日はトラブルありませんように」と私は祈っています(笑)。ただ今日まで続けられてきたことはなんとかなってきたからで、諦めなければなんとかなるということを、他店舗の皆様に教えていただきました。
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今後の展望についてお聞かせ願えますでしょうか。
室井さん
最初は貰い仕事がメインで自社の案件はありませんでした。今は、貰い仕事が3分の1ぐらいに減って自社案件が増えてきています。かといって、正直会社としての大きな飛躍は望んでいません。本来の望みは、私自身普通の生活ができて、ドライバーさんが働きやすい環境を作ること。本当にただそれだけです。
ただ、女性だから片手間だと思われないように、女性だからこその会社にしていくことだけは大事にしています。3年目にして独立したいドライバーさんも増えてきて、新しい境地に立っていくと思いますが、いつでも誰かの助けになれるような会社でいられたらと思います。現在もドライバーさんで独立を視野に入れている方が数名いて、それを何とか手助けして応援してあげたいというのが私の目標です。独立へ導き、オーナーとなるためのメンタルを身につけさせ、最後までフォローをしていきたい。それが私が今一番やりたいことです。
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子育て中の自立を目指す方へのメッセージをお願いします。
室井さん
「とりあえずやる。」ということでしょうか。そして「続ける」こと。
このシンプルでわかりやすいことが、人はなかなか出来ないと思うのですが、効率的かどうか等一度振り返って止まってしまうから駄目になってしまうケースも多いと思うのです。
ですので、とりあえずなにが欲しいのかをひとつに絞って、まっすぐ前に進む、ということですね。例えば、「自立したいから動く」ではなく、「子育てをメインにするなら何をすればよいか」を考える。そうやって1つに絞って、目的意識をはっきりさせ、そこに向かってまっすぐ走る―ということが大事だと、私は考えています。
プロフィール写真

オーナープロフィール

株式会社 K&M

代表取締役 室井 恵利さん

1984年、栃木県那須塩原生まれ

座右の銘:私は私。石橋は叩かない。とりあえずやる。

いままでやってきたお仕事:音楽・飲食・アパレル